ウィリアム・メレル・ヴォーリズ展in近江八幡~前田邸内部見学会

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 今回のヴォーリズ展in近江八幡で、個人的に一番のイベントでした。実行委員会のネット情報で、期間中の土曜日と日曜日に、それぞれ午前と午後に内覧があり予約できることを知りました。早速電話して申し込みました。そのあと1週間ほどで、すべての予約が完了していたので、危なく滑り込んだのでした。

 ヴォーリズ建築事務所で大丸心斎橋店(拡張計画)や京都の大丸ヴィラ早稲田奉仕園スコットホール大同生命ビル(現存せず、テラコッタのみ保存)などを担当し、立体芸術の天才といわれヴォーリズ氏の信頼が厚かった建築部員の佐藤久勝氏が自宅として設計したもの。現在はヴォーリズ展の実行委員長 前田典夫氏の自宅です。登録有形文化財に指定されたスパニッシュ・スタイルの木造2階建て。

前田邸
旧佐藤久勝邸 1931(昭和6)年
登録有形文化財
滋賀県近江八幡市土田町
撮影 : 2009.10.17
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 3年前と2年前に訪ねた時は、樹木が生い茂り、正面は玄関口しか見ることができませんでしたが、今回は前庭の木々が伐採されて、全貌が見えるようになっていました。
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 玄関脇に小さな池があります。基礎部の腐食の恐れがあるので、池は離れた位置に配置するらしいのですが、ここは石積みの基礎なので、問題ないそうです。
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 池の上の壁に埋め込まれた帆船のレリーフ。
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 裏に回る途中にある煉瓦塀。
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 側面には3年前に道路からちらっと見えたバルコニー。
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 裏側はいかにもスパニッシュ風。ヴォーリズ煙突も間近に見ることができました。
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 再び玄関に戻り、読売新聞で見た前田典夫さんの出迎えをうけました。c0094541_1527299.jpgc0094541_15275045.jpg 



















 八芒星(オクタグラム)のカットグラスが入った小窓がある木製ドアから中へ。
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 入って正面に階段があり、何度か写真で見た卍型の階段照明が目の前にありました。美しい。
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 階段横の大理石の花台にも八芒星の模様がはめ込まれています。大丸心斎橋店大丸京都店で見たものと同じです。そういえば東華菜館にもありました。
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 玄関から続く階段。装飾や木の柱の仕上げにもこだわりを感じます。
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 見学者は15名。八芒星模様の暖炉がある応接室で前田さんのお話を傾聴。

 佐藤久勝氏はこの住宅の竣工からわずか数週間、41歳という若さで急逝されたため、ほとんどここで過ごすことはありませんでした。その後、佐藤氏の親友で同じくヴォーリズ建築事務所の所員だった前田重次氏が引き継がれ、現在はその御子息の前田典夫さんが住んでおられます。前田さんご自身も、ヴォーリズの晩年に数年間ほど一緒に働かれたそうです。
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 この部屋にある椅子や家具類は当時のままだとか。作りつけの本棚の上には華やかなステンドグラスがあります。
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 こちらは食堂です。4畳半の小さな部屋ですが、うまく機能的な配置がされています。一枚板のテーブルと長椅子。ここにも作りつけの食器棚と八芒星がありました。

 この日は雨模様で外観の色合いがもう一つだったのが残念でした。しかし快く内部の写真撮影を許可していただいた、前田さんに心から感謝します。

Pe’s Poem  「立ち往生するヒトの内部」c0094541_15163360.jpg

暑い夏が過ぎると
ヒトはたいてい自分の村に帰って行った
帰り道を忘れたりしないのでなく
帰り道はいつも背中にあり
ある日それに気づく
というものでもなく
暑い夏の終わりになると
いつのまにか帰り道をたどっているのだった

たまには立ち往生するヒトもいて
ぞろぞろと村に帰るヒトを眺めながら
帰り道のたよりなさと
行く末のたよりなさを測っているのだった

村は消えてしまわないのだろうか
村に続く帰り道は消えてしまわないのだろうか
立ち往生するヒトは
ひがな考えるのだがc0094541_1516592.jpg
帰るヒトの足どりは軽い

帰りながら帰る村があることを喜び
帰る村が美しい村であると確信し
道づれなどもできて
またお会いしましょうそのうちに
と手を振り
そのうちに彼岸花も咲く
自分の村に帰って行った

秋から冬にかけて
たくさんの便りが届いた
ふしぎなことに
どの便りにも消印がなかった
立ち往生するヒトは
踏み出す一歩のことを考えていた
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by gipsymania | 2009-12-04 15:33 | 建築


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