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大島青松園礼拝堂
 久しぶりのアップです。
ヴォーリズの建築リストに大島療養所礼拝堂というのがあるのは知っていましたが、まさか現存しているとは思っても見ませんでした。sunshine-works さんの「近代建築Watch」というブログに写真があるのを発見し、行く機会を待っていたわけです。今年のGitano Family Japan Tour の最終日は四国の高松でした。またとない機会なので、翌日大島青松園の礼拝堂を見に行きました。

 昭和10年ころのヴォーリズの教会建築としては、今津キリスト教会博愛社礼拝堂(聖贖主教会)救世軍京都会堂がありますが、この礼拝堂は特に簡素なプロテスタント教会で、改修されつつ使い続けられているようです。

 特徴的には礼拝堂の入口に対面する位置に立つ鐘楼。この周辺と入口の庇の形状はヴォーリズにはあまり見ないデザインで、F.L.ライトを思わせる幾何学的でモダンな印象です。

 内部はいたってシンプル。天井の小屋組みはかなり特殊で、ハンマービームのような両側の垂木を水平に張られたワイヤーで引っ張っているように見えます。珍しい構造です。木造平屋建て。

大島青松園礼拝堂
旧大島療養所礼拝堂
1935(昭和10)年
高松市庵治町大島6034-1
撮影 : 2011.11.26
 F.L.ライトの建築を思い出します。
 何かわからなかった四角い塔はやはり鐘楼でした。鐘を鳴らす紐が下がっています。
 垂木を引っ張っているワイヤ(鉄棒?)が写っています。

大島青松園とは

高松港から船でおよそ20分沖合いの大島にある「国立療養所大島青松園」はハンセン病の療養施設です。全国5か所に置かれた最初の国立ハンセン病療養施設の一つとして明治42年に開設されたもの。有効な治療法が確立されていなかった当時は、実質的に隔離を目的とした施設だったため、園全体が小さな独立した町となっていて、売店・食堂・郵便局・公園・宗教施設・会館・外来者用宿泊施設などが完備されています。園の北側に各種様々な宗教の礼拝施設が並ぶ地域があり、この礼拝堂もその一角にあります。現在も入所者がいて、施設の運営や船の運航はすべて国が行っています。
 9:10発の船に乗るため高松港の客船乗り場へ。待合所に大島青松園の高松事務所があったので、乗船の手続きを・・・と思ったら「乗船を希望する方は、事務所へ申し込んでください」という張り紙が見えるが、閉まっていました。よく見ると別の張り紙に「只今留守にしています。船便をご利用の方は、桟橋へお越しください」とありました。帰路も同じ状態でしたから、ここには常駐者はいないと思われます。
 第1浮桟橋が大島往きの船着き場。ここで船長らしい人に聞くと、目的とか知人が島にいるかと聞かれました。単なる見学と言うと、島に電話をかけて確認していましたが、結果OK。向こうで手続きすることに。
 島に着き管理棟に行って見学の手続きをしました。氏名と住所などを台帳に記入するだけでした。土曜日だからでしょうか、係員は一人。教会に行きたいので場所を聞きましたが、良くわからないと・・・??ともあれ宗教地区に行けばいいらしいです。ここで見学者用のパンフレットを頂きました。
 園内はゆったりとして緑が多く、住居や施設の建物が並んでいます。喫茶店もありましたが、閉まっていました。礼拝堂以外に興味がないので、1時間見て廻って10:30の船で高松へ戻りました。
 連絡船は高松と庵治の2か所から出航し、それぞれ1日4往復あるので、結構便利です。また国営なので運賃は無料です。
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by gipsymania | 2011-11-29 14:13 | 建築 | Trackback | Comments(8)
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Commented by sunshine-works at 2011-11-29 19:06
ご無沙汰しております。
当初この建物がヴォ―リズ作品とは知らずにおりました。一連の作品には無いモダンデザインなのでまさかヴォ―リズ作品とは思いも寄りませんでした。
内部を御覧になることが出来たのですね。私が訪れた際には誰も居らず適いませんでした。内部の様子をこうして見ることが出来て幸いです。有難うございます。
Commented by gipsymania at 2011-11-30 14:28
sunshine-works さん
こちらこそご無沙汰しています。
ヴォーリズの作品リストに「大島療養所礼拝堂」というのがあり、
築年が昭和10年になっています。
ご覧になった「香川県近代化遺産(建造物等)総合調査報告書」と同じですから、
多分間違いないと思っています。
確かにライト風のデザインが見受けられ
他のヴォーリズ作品とは趣が違いますね。
内部の件ですが、私が訪ねた時も、
その周りはもちろん、行くまでにも人に出会いませんでした。
ただ、入口のドアを開けると開いたので、中に入ったわけです。
無断侵入ですが(笑)、もともと教会は誰にでも開放しているものだと思っていますので、
許していただけるかと思います。m(__)m
ミッションスクールに通ったので教会は慣れているというか。
教会に行ったら、大体中を見るべくチェックすることにしています。
プロテスタント系は礼拝日以外に開いてていることは少ないですが、
カトリック系はほぼ例外なく、いつでも中に入れますよ。
Commented by coppoumon at 2011-12-03 23:30
お久しぶりです。
ついに、おいでになられたのですね。
祭壇中央の演台と、博愛社礼拝堂の説教台はこちらの方は装飾が無いようですが、基本的なデザインが共通していますね。
天井に貼られたテックスも初めからのものであれば、博愛社礼拝堂と同じ材料だと思います。
Commented by gipsymania at 2011-12-07 15:05
coppoumon さん
御無沙汰しています。
行きたいと思っても、これだけ見に行くのも躊躇していました。
よい機会でした。
ヴォーリズらしいシンプルな内装で行ってみて良かったです。
ついでに坂出でも何軒かレトロな建物をみてきました。
「のんびりいこうよ」の旅でした。
Commented by agen at 2012-01-14 21:02 x
初めてコメントします。ただし上の内容とは直接関係はありませんが、お探しの「中村駿吉邸」に関することです。
昨年末、別件を古い京都市東山区の住宅地図で探していたら「中村駿吉」名の宅がありました。ところが、残念なことに新しい住宅地図では「カントリーベア(3F)」に変わっていました。
古い住宅地図はゼンリンの1997年で、新しいのは2003年版です。
新しい住所は東山区本町22町目516番です。本町通からは奥まった所になるようです。
Commented by gipsymania at 2012-01-15 21:41
agen さん
中村駿吉邸!!古いゼンリン地図に住所が。
私は本町通をストリートビューで何回も南北に走って探しました。
少し東奥にあったのですね。
教えていただいた住所で再度見てみましたが、
確かに「カントリーベア(3F)」になっています。
すでになくなっていたのか・・・
長年の疑問が解けました。
貴重な情報を本当にありがとうございました。
すっきりしました。
Commented by momotan at 2012-05-04 10:20 x
はじめまして。「糸巻きパレットガーデン」のファンでそのリンク先でこのブログをみつけてやってきました。
この連休に玉岡かおるさんの「負けんとき:ヴォーリス満喜子の種まく日々」を小説を読んで、はじめてヴォーリスさんの事を知りました。
そして、改めて、totiさんのブログを開いたら、こちらのブログ名が目に飛び込んできたのでした。ずっと前からそこにあったろうに全く目に入っていなかった訳で・・・人の意識とはこんなものかと思った次第です。
小説の中であちこち手がけたと書かれているヴォーリズさんの建築をこちらで見せていただけるとはなんて贅沢なことと思います。あまりにたくさんで驚きますが、ゆっくり見せていただきます。ありがとうございました。
Commented by gipsymania at 2012-05-04 17:32
momotan さん、
はじめまして。
totiさんとは最近ご無沙汰しています。
「負けんとき:ヴォーリス満喜子の種まく日々」はまだ読んでいませんが、
なんとなくヴォーリズ氏の人となりがわかる小説ではないかと想像します。
6年前に偶然見つけた住宅がヴォーリズ建築で、
それ以来、気に入ってしまい、一気に見て回ってしまい、
行けるところは行き尽くした感じです。
まだいくつかありますが、おいそれとは訪ねにくい所ばかりが残ってしまって、
長い間アップしていません。
ヴォーリズ作品は彼の人柄がよく出ているので、大好きです。
たくさんの見所がありますので、ゆっくり見ていたたければ嬉しいです。
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