西宮の関西学院上ヶ原キャンパス

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 西宮市にはヴォーリズが設計した学校建築が3箇所あります。なかでも神戸女学院と関西学院はヴォーリズがキャンパス配置計画から手がけた、素晴らしく壮大なものです。

関西学院 上ヶ原キャンパス 1929(昭和4)年
兵庫県西宮市上ヶ原一番町1
撮影 2006.6.10 & 7.8

関西学院(KWANSEI GAKUIN)の創立者ウォルター・R・ランパス氏の生誕150周年を記念した冊子(2004年)があります。c0094541_1130642.jpg これによると神戸の原田にあった校地(現在の王子動物園の近く)も壮大なキャンパスであり、ほとんどの校舎などがヴォーリズ設計事務所の設計だったとか。
 上ヶ原への移転に冠する設計業務をヴォーリズ事務所が受注したのが1926(大正15)年7月、1928(昭和3)年2月起工式、1929(昭和4)年3月建築工事が完成して、同年5月に新校舎における授業が始まりました。

 特に素晴らしいのはスパニッシュ・ミッション様式で統一された建築群とともにその配置計画にあります。中央に配置された広大な芝生の広場。その中央を貫通する軸線。甲山頂点を基点として時計台頂点から中央芝生、さらに正門、またそこから甲東園に向かって延びる公道までもを一直線に結んでいます。

 我々が公道を学院に向かって進むと、時計台が正面に見え、正門を入るとすぐ中央芝生が開けて、甲山を背景とした時計台が眼前に迫るのです。

 関西学院は阪急電車今津線の甲東園からバスで行きます。また同じ今津線の一つ南の駅、門戸厄神には神戸女学院と聖和大学があり、これらもヴォーリズ設計なので、まとめて駆け足で一日で見ることは可能です。



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 冊子にあったヴォーリズの配置図です。ちょっと見にくいのですが、正門から中央芝生、時計台を通した中心線が引いてあり、一番上には「LINE A-A TO CENTER ON MT.KABUTO」とあります。明確に甲山と学院配置の意図が示されているのがわかります。

 なお、これから建物別に紹介していきますが、1929年の初期の建物で現存しているのは、

1.門衛舎 2.学院本館(旧総務館) 3.宗教センター(旧宗教館) 4.神学部 5.文学部(旧法文学部) 6.時計台(旧図書館) 7.経済学部(旧高等商業学部) 8.中央講堂 9.商学部(旧高等商業学部別館) 10.ハミル館 11.外国人住宅(宣教師館)

くらいかと思われます。しかしその後もヴォーリズの設計による、新しい建物の建設、増築などが戦後まで続きました。その後の建物の建築年など不明なものが多く、かつヴォーリズ氏の死後も一粒社ヴォーリズ建築事務所が関わった建物が多いと思われます。とにかくキャンパス全体がヴォーリズの意匠を引き継ぎ、明るく壮大な景観を我々に見せてくれます。
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by gipsymania | 2006-10-14 11:55 |


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