静岡市の旧マッケンジー邸 (その1)

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 なかなか訪問する機会のなかった旧マッケンジー邸。静岡はいつも新幹線で通過するだけでしたが、今回はゴールデンウィークのため、回数券などの割引切符が使えません。その代り福島から郡山・東京を経由して自宅の高槻まで途中下車可能な切符を買いました。東京に2泊して帰る予定でしたが、考えてみるとこれを逃すとまたチャンスがなくなります。急遽、東京にもう一泊して静岡で途中下車することにしました。ちなみに連休中は東京のホテルが安いです。意外に都会は穴場です。
 
 旧マッケンジー邸は静岡市駿河区高松の海岸沿いにある、貿易商社A.P.アーウィン商会日本支社店に勤務になったダンカン・J・マッケンジー夫妻の住宅として建設された白い壁が美しい洋館です。戦前に建てられた洋風住宅の中で、静岡県内に唯一現存する大変貴重な建物だそうです。

 マッケンジー氏は静岡特産のお茶の輸出に力を注ぎましたが昭和26年に他界しています。 この建物は、静岡市の名誉市民第1号であるエミリー・マーガレッタ・マッケンジー夫人が昭和47年まで住んでいたのもで、帰米に際し、静岡市に寄贈されました。昭和62年に改修工事が行われ、市教育委員会の施設として一般に無料開放するとともに、社会教育・芸術文化の振興の場として多くの人にご利用されています。木造2階建て、地下1階、塔屋付、洋瓦葺。


旧マッケンジー邸 1940(昭和15)年/1987(昭和62)年改修
登録有形文化財
施工 : 竹中工務店
静岡市駿河区高松2852
撮影 : 2007.5.3
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 マッケンジー邸の門。かなり広い庭を通って建物へ。今は海岸線との間に高架の高速道路が走っているので景観が悪くなっていますが、当時は駿河湾を一望する眺めのよい家だったそうです。
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 赤いスペイン瓦葺きの屋根、スタッコ仕上げの荒い白壁、アーチ型の窓。ヴォーリズ得意のスパニッシュ・スタイル住宅です。
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 印象的な張り出し部分は食堂です。
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 玄関を外から。
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 玄関を入ったところ。かなり広い空間です。
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 マッケンジー夫妻の肖像画がありました。マッケンジー夫妻が来日した当初はもっと山に近いところに住んでいて、近くに静岡英和女学院があったそうです(現存しません)。昭和元年竣工の静岡英和女学院校舎の設計をヴォーリズが担当した頃から、マッケンジー夫妻とヴォーリズの交流はあったと思われ、その関係で新居の設計をヴォーリズに依頼したのではないでしょうか。
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 玄関からホールへ。
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 最初の部屋は居間兼客間。
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 その隣は書斎です。
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 書斎の窓から裏庭を。
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 その隣は骨董室と呼ばれる部屋。
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 廊下。
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 1階の見所の一つはこの張り出し部。採光のいい食堂です。
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 もう一つ廊下。
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 2階からスペイン瓦の屋根を。
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 2階には客用の寝室が二間。その一つです。
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 この寝室からバルコニーに出ることが出来ます。駿河湾が一望できるバルコニーです。
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 もう一つの客用寝室。なぜかこの部屋からバルコニーには出れません。
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 裁縫室(Sewing Room)と呼ばれる部屋。昔はアイロン台などがあったのでしょう。
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 もう一つの見所。2階のホールから階段を見ています。塔屋が階段室になっていて縦長の2連アーチ窓が美しい。
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 2階の一番大きな部屋は夫妻の寝室です。
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 寝室からは駿河湾を見下ろす大きな窓があります。
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 食器庫という小さな部屋から外を。
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 棟屋を3階に上がると、そこは望楼。マッケンジー氏は天体観測が趣味だったそうで、ここから天体望遠鏡を覗いていたのでしょうか。4方に配置された3連アーチ窓が素晴らしい。
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 3階望楼から階段を見下ろしています。
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 このほか、スチーム暖房設備や、ドアの真鍮製ノブに特注品を使うなど、細かい気配りがあちこちにうかがえます。マントルピースや台所のアメリカ製調理器具、水洗式のトイレなどの近代的な設備も当時のままに保存されています。
 今回は時間をかけてゆっくり見ることができ、これらの設備の写真もかなりの枚数撮影しましたので、2回に分けて紹介します。次回はディテールを。
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by gipsymania | 2007-05-17 18:02 | 建築


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