![]() 福岡県にはバプテスト系の西南学院があるせいか、バプテスト東福岡教会、日本バプテスト福岡基督教会、西南学院バプテスト教会(解体)などの戦後の礼拝堂がありますが、これもその一つ。 ヴォーリズ建築事務所が手掛けた戦後の教会建築。例にもれずシンプルな礼拝堂ですが、多くの木造教会で見られる吹き付けのスタッコ壁ばかりではなく、ここでは妻面や入口の重厚な木製ドアなど木の存在感を強調した意匠を採用していて特徴になっています。木造平屋(一部2階)建て。 八幡バプテスト教会 1955(昭和30)年 北九州市八幡西区岡田町2-14 撮影 : 2012.5.20 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ヴォーリズの建築リストに大島療養所礼拝堂というのがあるのは知っていましたが、まさか現存しているとは思っても見ませんでした。sunshine-works さんの「近代建築Watch」というブログに写真があるのを発見し、行く機会を待っていたわけです。今年のGitano Family Japan Tour の最終日は四国の高松でした。またとない機会なので、翌日大島青松園の礼拝堂を見に行きました。 昭和10年ころのヴォーリズの教会建築としては、今津キリスト教会、博愛社礼拝堂(聖贖主教会)、救世軍京都会堂がありますが、この礼拝堂は特に簡素なプロテスタント教会で、改修されつつ使い続けられているようです。 特徴的には礼拝堂の入口に対面する位置に立つ鐘楼。この周辺と入口の庇の形状はヴォーリズにはあまり見ないデザインで、F.L.ライトを思わせる幾何学的でモダンな印象です。 内部はいたってシンプル。天井の小屋組みはかなり特殊で、ハンマービームのような両側の垂木を水平に張られたワイヤーで引っ張っているように見えます。珍しい構造です。木造平屋建て。 大島青松園礼拝堂 旧大島療養所礼拝堂 1935(昭和10)年 高松市庵治町大島6034-1 撮影 : 2011.11.26 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 大島青松園とは 高松港から船でおよそ20分沖合いの大島にある「国立療養所大島青松園」はハンセン病の療養施設です。全国5か所に置かれた最初の国立ハンセン病療養施設の一つとして明治42年に開設されたもの。有効な治療法が確立されていなかった当時は、実質的に隔離を目的とした施設だったため、園全体が小さな独立した町となっていて、売店・食堂・郵便局・公園・宗教施設・会館・外来者用宿泊施設などが完備されています。園の北側に各種様々な宗教の礼拝施設が並ぶ地域があり、この礼拝堂もその一角にあります。現在も入所者がいて、施設の運営や船の運航はすべて国が行っています。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 軽井沢は個人の別荘なので情報がなく、現存していたのを知りながら場所が分からず、私にとってはベールに包まれたような建物でした。外観を見るとかなり大きな2階建てで、開口部に白い木枠を配して濃褐色の建物を引き立て、ヴォーリズの軽井沢別荘建築に共通した、石積みの上に土管を突き出した煙突、中には石積みの暖炉がある魅力的な建物です。 メールによると「主な価値のあるものは全て外されていました。作り付けのベンチ(ヴォーリズ建築の特徴)は前日ナショナルトラストの方で外して保管したそうです。が、後は粉々になるのかと思うと悲しくなりました。居住者は初代はがラックモアーさん(やはり東洋英和に貢献した方)、それからメジャーさん、その後田中さん、そして東京の不動産業者、そして壊す!中に入ってみると湿気の多いところなのに床がとってもしっかりしていて軋みは全くありませんでした。また作り付けの食器棚の引き出しもスムーズに開きました。」ということです。また一つヴォーリズ建築は消えていくのはいかにも残念。木造2階建て。 旧メジャー別荘 1918(大正7)年 北佐久郡軽井沢町 撮影 : 2011.9.14 ![]() ![]() ![]() ![]() 最新鋭の病院に建て替えたときに一部の外壁を建物下部に、またアーチ構造物をモニュメントとして残したようです。古い病院の写真を見ていないため、この煉瓦構造物がヴォーリズの設計によるものかはわかりませんが、そうであることを期待して、アップします。 Mackay Memorial Hospital(馬偕紀念醫院) 1937(昭和12)年 台北市中山北路二段 92 号 撮影 : 2011.8.22 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() アメリカのミッションボードから派遣された、歴代の女性宣教師が使い継がれた住居で、1989年、北星学園の創立100周年を契機に現在地に移設保存され、外壁のからし色と窓枠や屋根の緑色を創建時の色に再現しました。現在は月・水・金曜日の12時00分~17時00分の間に一般開放され、数々の歴史的な資料を展示しています。 ![]() 右の写真は「モダニズムだけじゃない建築ブログDOCOMORO100」にあったヴォーリズの原図。どういう経緯でバトンタッチされたのかよくわかりませんが、ヒンデルといえば大正末より昭和初期にかけて、聖フランシスコ修道院、北大手稲山パラダイスヒュッテ、函館トラピスチヌ修道院、上智大学1号館、カトリック松が峰教会、南山大学ライネルス館など、カトリック系の学校や教会の設計などを数多く手掛けた建築家。プロテスタントの建物を設計したのは珍しい、というかこの建物だけではないでしょうか。 原図から建物の形状は詳しくわかりませんが、一見してヴォーリズらしさを感じさせず、屋根の勾配も実際より緩やかなようです。ヒンデルはスイス生まれで豪雪地帯の住宅設計を持ちこんだといわれ、急勾配の屋根や南側の大きな窓、外壁の保温処理など、むしろヒンデルの特徴が出ている気がします。国の登録有形文化財と札幌市都市景観賞の木造3階建て。 北星学園創立百周年記念館 旧北星女学校宣教師館 1926(大正15)年 登録有形文化財 札幌市都市景観賞 基本設計 : W.M.ヴォーリズ 実施設計 : マックス・ヒンデル 施工 : 三浦建築工務所 札幌市中央区南4条西17-2 撮影 : 2011.8.26 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 片岡山荘 旧鈴木歯科診療所 1936(昭和11)年 登録有形文化財 長野県北佐久郡軽井沢町大字軽井沢字西屋敷裏外167-15 撮影 2011.7.2 ![]() ↓は文化遺産オンラインにあるベイウィンドウの内部です。 ![]() ![]() ヴォーリズが軽井沢で夏の避暑に集まる外国人牧師との交流の拠点として建てた山荘。ヴォーリズは、ここ軽井沢にも設計事務所を作り、昼間はいわゆる営業活動をしながら、設計業務を行い、夜はこの山荘で休んでいたと思われます。軽井沢のみならず、全国に教会や牧師館を建てた源泉は軽井沢での活動があったからでしょう。 「九尺二間」と称する、最小限の空間に快適で健康的な住まいを目指した、実験的な住宅として有名です。ここでも妻面に浅間石積みの煙突を配する軽井沢らしい雰囲気いっぱいの山荘。ヴォーリズの後に洋画家の浮田克躬氏の所有となり、現在も浮田家に使い続けられています。木造2階建て。 浮田山荘 旧ヴォーリズ山荘 1922(大正11)年 長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢 撮影 : 2010.5.5 ![]() ![]() ![]() 別荘地の緑の雰囲気に溶け込んだような、ヴォーリズの作風を感じる素晴らしい建物です。1941年といえば太平洋戦争に突入した年。物資が不足していたころで、かつヴォーリズ建築事務所の仕事が少なくなっていた時期でしょうが、写真から見る限り、それを感じさせない丁寧な作りになっています。 正面の妻側から見た浅間石積みの煙突が鶴の形に似ているため「鶴楼(かくろう)」と呼ばれているそうです。軽井沢ヴィネットにはほぼ全貌がわかる外観写真とともに、内部の写真も掲載されています。ヴォーリズらしい明るく住みやすそうなリビングとダイニングルーム、そして2階には別荘としては珍しい京間があります。木造2階建て。 福井別荘「鶴楼」 旧岸本広吉山荘 1941(昭和16)年 長野県北佐久郡軽井沢町 撮影 : 2010.5.5 ![]() ![]() ![]() ![]() 三井財閥の一員で、後に三越や朝日生命の社長だった朝吹常吉氏の別荘として建てられ、長くボーヴォワールやサガンの翻訳家として有名な朝吹登水子さんが住まれた別荘です。なお朝吹登水子さんは今年の第144回芥川賞に選ばれた朝吹真理子さんの大叔母にあたる文学一家の生まれです。ちなみに東京高輪にはこのブログで紹介した旧朝吹常吉邸があり、これもヴォーリズの設計です。 別荘地に似合う山荘風のバルコニーがあり、ヴォーリズ煙突のある最上級の木造建築。2008(平成20)年に滋賀県立近代美術館で開催された「ウィリアム・メレル・ヴォーリズ展」で、建物の解体の様子を写したビデオを見ました。一つ一つの部材を丁寧に仕分けしているのが印象的でした。ほとんど元の材料を使って再建したもので、多少のお色直しもあったでしょうが、素晴らしい形で残っています。また一般公開して、内部も見れるのがうれしいです。木造2階建て。 朝吹山荘「睡鳩荘」 旧朝吹常吉山荘 1931(昭和6)年 北佐久郡軽井沢町塩沢湖217 軽井沢タリアセン内 撮影 : 2009 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() < 前のページ次のページ >
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