<   2011年 09月 ( 3 )   > この月の画像一覧

解体されるメジャー別荘

c0094541_1748220.jpg
 軽井沢にお住まいのケムリさんよりメールをいただきました。私が見つけることができなかった旧メジャー別荘が解体されるとのこと。送ってもらった写真を見ると、確かに解体直前。窓はすでに外され、家具などが運び出されているようです。

 軽井沢は個人の別荘なので情報がなく、現存していたのを知りながら場所が分からず、私にとってはベールに包まれたような建物でした。外観を見るとかなり大きな2階建てで、開口部に白い木枠を配して濃褐色の建物を引き立て、ヴォーリズの軽井沢別荘建築に共通した、石積みの上に土管を突き出した煙突、中には石積みの暖炉がある魅力的な建物です。
 
 メールによると「主な価値のあるものは全て外されていました。作り付けのベンチ(ヴォーリズ建築の特徴)は前日ナショナルトラストの方で外して保管したそうです。が、後は粉々になるのかと思うと悲しくなりました。居住者は初代はがラックモアーさん(やはり東洋英和に貢献した方)、それからメジャーさん、その後田中さん、そして東京の不動産業者、そして壊す!中に入ってみると湿気の多いところなのに床がとってもしっかりしていて軋みは全くありませんでした。また作り付けの食器棚の引き出しもスムーズに開きました。」ということです。また一つヴォーリズ建築は消えていくのはいかにも残念。木造2階建て。

旧メジャー別荘
1918(大正7)年
北佐久郡軽井沢町
撮影 : 2011.9.14
c0094541_17495531.jpg
c0094541_1750416.jpg
運び出された家具類。左下に天井照明灯具が見えます。これも価値がありそうです。
c0094541_17501637.jpg
 石積みの暖炉。2枚目にも別の暖炉が写っています。貴重な財産がまた一つ消えることになりました。
[PR]
by gipsymania | 2011-09-17 17:58 | 建築

Mackay Memorial Hospital(馬偕紀念醫院)

c0094541_13491688.jpg
 ヴォーリズの作品リストで台湾にMackay Memorial Hospitalという建物があり、現存していたらいつか見たいと思っていました。Google Mapのストリートビューで見ると建物は新しくなっていますが、煉瓦造りのアーチなどがあるようです。最近友人が台湾旅行すると聞いて、写真撮影を頼みました。

 最新鋭の病院に建て替えたときに一部の外壁を建物下部に、またアーチ構造物をモニュメントとして残したようです。古い病院の写真を見ていないため、この煉瓦構造物がヴォーリズの設計によるものかはわかりませんが、そうであることを期待して、アップします。

Mackay Memorial Hospital(馬偕紀念醫院)
1937(昭和12)年
台北市中山北路二段 92 号
撮影 : 2011.8.22
c0094541_13493668.jpg
c0094541_13494554.jpg
c0094541_13495173.jpg
c0094541_1349581.jpg
c0094541_1350463.jpg
c0094541_13501285.jpg
c0094541_13502051.jpg
c0094541_1350295.jpg
c0094541_13503784.jpg
 煉瓦はシンプルな長手積み。大阪教会(1922年)スコットホール(1921年)西南学院講堂(1921年)アーモスト館(1932年)啓明館(1915年)新島遺品庫(1942年)致遠館(1916年)などの同志社煉瓦建築など、ほとんどがイギリス積みなので、多少この遺構がヴォーリ作品ズかどうか不安がありますが、もっと古い今は亡き福島教会(1909年)は長手積みなので、あながち違うとも言えないようです。築年はそれらより新しいのですが、台湾特有の材料入手の事情かもしれません。
[PR]
by gipsymania | 2011-09-13 13:52 | 建築

北星学園創立百周年記念館

c0094541_1619212.jpg
 実際の設計はM.ヒンデル(Max Hinder)ですが、初めはヴォーリズに依頼され、原案を作った状態でヒンデルに引き継がれたという経緯があり、「レトロな建物を訪ねて」ではなく、こちらのブログで取り上げます。

 アメリカのミッションボードから派遣された、歴代の女性宣教師が使い継がれた住居で、1989年、北星学園の創立100周年を契機に現在地に移設保存され、外壁のからし色と窓枠や屋根の緑色を創建時の色に再現しました。現在は月・水・金曜日の12時00分~17時00分の間に一般開放され、数々の歴史的な資料を展示しています。c0094541_16204637.jpg

 右の写真は「モダニズムだけじゃない建築ブログDOCOMORO100」にあったヴォーリズの原図。どういう経緯でバトンタッチされたのかよくわかりませんが、ヒンデルといえば大正末より昭和初期にかけて、聖フランシスコ修道院、北大手稲山パラダイスヒュッテ、函館トラピスチヌ修道院、上智大学1号館、カトリック松が峰教会、南山大学ライネルス館など、カトリック系の学校や教会の設計などを数多く手掛けた建築家。プロテスタントの建物を設計したのは珍しい、というかこの建物だけではないでしょうか。

 原図から建物の形状は詳しくわかりませんが、一見してヴォーリズらしさを感じさせず、屋根の勾配も実際より緩やかなようです。ヒンデルはスイス生まれで豪雪地帯の住宅設計を持ちこんだといわれ、急勾配の屋根や南側の大きな窓、外壁の保温処理など、むしろヒンデルの特徴が出ている気がします。国の登録有形文化財と札幌市都市景観賞の木造3階建て。

北星学園創立百周年記念館
旧北星女学校宣教師館
1926(大正15)
登録有形文化財
札幌市都市景観賞
基本設計 : W.M.ヴォーリズ
実施設計 : マックス・ヒンデル
施工 : 三浦建築工務所
札幌市中央区南4条西17-2
撮影 : 2011.8.26
c0094541_1621389.jpg
c0094541_162182.jpg
c0094541_16211542.jpg
c0094541_16212646.jpg
c0094541_16213441.jpg
c0094541_16214288.jpg
c0094541_16215283.jpg
c0094541_16215737.jpg
c0094541_162293.jpg
c0094541_16221883.jpg
c0094541_16222323.jpg
c0094541_16223310.jpg
c0094541_16224119.jpg
c0094541_16224991.jpg
c0094541_1623020.jpg
c0094541_1623930.jpg

[PR]
by gipsymania | 2011-09-01 16:29 | 建築