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再び近江岸邸へ

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  石津川の富久邸を見た後、ここまで来たら南海電車であと2駅。浜寺公園の近江岸(おうみきし)邸を再訪しました。前に訪ねたのは2006年6月ですから、ほぼ7年前のことです。前回は小雨の中の撮影。今回は快晴です。

 1934(昭和9)年の設計で翌年の完工。この頃はヴォーリズの円熟期。スパニッシュ瓦葺,切妻造の住宅で、関西では小寺邸なきあとの貴重なスパニッシュ邸宅です。国の登録有形文化財の木造2階建て。

近江岸家住宅
1935(昭和10)年
有形登録文化財
施工 : 岡本工務店
堺市西区浜寺昭和町3-351
撮影 : 2013.2.10
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 久しぶりに見ましたが、美しい姿はそのままで、庭内の植木もよく手入れされていて、大切に使われていることがわかります。
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by gipsymania | 2013-02-18 14:15 | 建築

富久邸

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 現存しているのは数年前から知っていましたが、大阪の堺市しか場所がわからなかった建物。ネット検索をしていて Tato DESIGN という会社が賃貸の募集をしていて、去年の8月と12月に内覧会を開催したことがわかりました。過去2回とも気づいたときには終了していて、残念。今回は網を張っていたので見逃すことなく申込みました。

 ヴォーリズ作品としては数少ない純和風建築の住宅。洋館に隣接した主屋にはそれなりに和風建築はありますが、単独で現存しているのは、石橋邸滝川邸宮川邸内炭邸旧広瀬邸(いずれも近江八幡)と近江今津の前川邸 、軽井沢の福井別荘「鶴楼」くらいでしょう。

 南海電鉄石津川駅の近くにあり、周辺には同年代の地区と思われる和風住宅がいくつか残っていて、当時は海岸に近い高級住宅地であったことが伺えます。一番乗りして現オーナーの富久(とみひさ)慎太郎さんご夫妻に歓待され、くまなく内部も見せていただきました。オーナーさんの祖父が知人伝いにウォーリズに依頼されて建てられ、その後、約80年間大切に使われ続けてきた上質の住宅でした。特に内部の建具は手の込んだデザインです。

 間取は、1階がキッチン、納戸、洋室(4.5帖)、和室(8帖+6帖)の89平米、2階が洋室(6帖)、和室(6帖+8帖)の53平米の合計142平米(42.95坪)。また、大小の庭が建物の南北にあり、敷地の広さは約140坪あります。

 ヴォーリズファンとしては内覧させてもらったことと同時に、大切に保存されている図面も見せて頂いたのは貴重な体験でした。

富久邸
1933(昭和8)年
堺市西区浜寺石津町西
撮影 : 2013.2.10
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 玄関は西向き。
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 東側と北側からの眺め。
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 1階の和室と洋室。
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 キッチンにある作り付けの真っ白な戸棚と食器棚。見せていただいた図面によると大丸百貨店の製品を使うように指示されていました。やはりヴォーリズは大丸との関わりが強いようです。
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 キッチンから洋室へ料理を渡すように引き戸になっています。
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 キッチン横の浴室は改造されたそうですが、このタイルと天井は昔のまま。
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 トイレの明かり取りのガラス。
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 1階和室の縁側の右にある丸窓の明り取り。
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 天井は上質の板材が使われています。
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 印象的な階段。丸太をそのまま使った手すりは飴色に光って年代を感じます。
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 踊り場の縦長窓。
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 2階の洋室。
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 2階の和室。
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 これらはヴォーリズではありませんが、昔のままの家具が大事にのこされています。
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 昔のままの金具。ドアノブの上にあるのはノッカーです。
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 ヴォーリズ建築事務所のブループリントの設計図が数多く、大切に保管されています。
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 図面のタイトルは RESIDENCE FOR W. TOMIHISA ESQ HAMADERA
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 W. M. VORIES & CO. ARCHITECTS OSAKA OFFICE
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 作図は1933年7月27日、改正日付は9月15日。築年が1933年。建物の完成間近まで図面の改正を行ったことがわかります。
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2003年の朝日新聞記事。富久邸が紹介されています。今から10年前にはこの建物がヴォーリズ設計であることがわかっていたわけです。
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 最後に親切に案内くださったオーナーさんに感謝します。

 なお、公開の目的は、使わないでおくと痛むので貴重なヴォーリズ建築を残したいという思いから誰かに使ってもらいたいため。できれば建築事務所やデザイン関係の会社が借りてくれればとおっしゃっていました。Tato DESIGNに連絡すれば、公募の日以外でも見せてもらえるそうなので、興味のあるかたはどうぞ。

 またオーナーの富久慎太郎さんはFacebook で資料の紹介もされているとか。こちらも興味のある方は訪ねてみてください。
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by gipsymania | 2013-02-11 15:45 | 建築