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軽井沢の片岡邸

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今回の軽井沢での一番の収穫です。出かける前に本やインターネットで現存の建築物はかなり調べて行ったはずなのですが、ここはまったく知りませんでした。たまたま現地で買った「軽井沢ヴィネット 2006 夏号」を見て初めて存在を知りました。さらに偶然とはいえ、持ち主の片岡さんと知り合いになるという幸運でした。とにかく素晴らしい建物です。

 この2年後に国の登録有形文化財に指定されました。

片岡山荘
旧鈴木歯科診療所 1936(昭和11)年
登録有形文化財
長野県北佐久郡軽井沢町
撮影 2006.7.16
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一枚目の写真を見ると、私の腕の悪さがすぐ分かります。傾いてしまってますね。(恥)(*傾きを修正。2006.11.16)
 これは私の妻が別のカメラで撮ったものです。色合いはもう一つですが、少なくともそんなには傾いてはいません。
 午前中、ヴィネットの記事にあった大まかな場所を頼りに探しに行きましたが、ことのほか簡単に見つかりました。喜んで写真を撮っていると、突然窓が開き、ご老人が顔を出して「今日は行きますか?」
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驚いてよくよく見ると、昨日、旧軽銀座の土屋写真館で声をかけてくださった人ではありませんか。私が写真館の人にヴォーリズのことを聞いているのを見て「明日、ナショナルトラストの探索ツアーがあるので一緒にどうか」と誘ってくれた人だったのです。
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 もちろんせっかくの機会ですから、待ち合わせの場所と時間をお聞きして、ここを後にしました。
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 午前中は持ち主から声をかけられるという予想もしない出来事があって、やや動揺したのでしょう。じっくり見ずに立ち去ったのです。ところが、その後ナショナルトラストの皆さんと散策に出かけるときに、同行された片岡さんが自宅を見せてくれるということになり、午後再び訪問。
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 片岡邸に集まって説明を聞く散策メンバー。雨が降っています。
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 みんなに説明をしている片岡さん。
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 実は背面には素晴らしいベイウィンドウがあるのです。でも、この写真は私が撮ったのではありません。ヴィネットから拝借しました。背面は高い塀と樹木でほとんど見えません。敷地内に入らないとこのシーンは見れないのです。
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 同じくヴィネットから。軽井沢の片岡邸_c0094541_15481069.jpgベイウィンドウの部分はこのようなゆったりとしたサンルームになっています。片岡さんによると、この建物は元々鈴木という歯科医の夏の診療所兼別荘で、その後、持ち主が代わり、夏の下宿屋になって、片岡さんご本人も下宿人だった。学者や学校の先生などが、まかないつきのこの下宿を利用していたとか。住み心地がよいので下宿人のほとんどが常連だった。そして宿のご主人が亡くなって、手放す話になったときに同居人の強い勧めがあって片岡さんが買い取ることになったそうです。

 なお、軽井沢ヴィネットのバックナンバーはここで買えます。2006夏号はこのほかにも先に紹介した「ヴォーリズレーン」も掲載されていて盛りだくさんです。
http://www.karuizawa.co.jp/vignette/index_publish.html




Pe's Poem 「月盲症」

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  女の躰にまといついている
  さざめく疑似光線
  拭っても拭っても
  途切れることのない
  青白い雫
  
  暗闇の風の中
  月の抜けた天空を凝視めて
  しだいに鮮明になる景色を
  辿ろうとしている
  消えたものの行方を
  懐深く隠されてしまった
  
  自分の景色の輪郭が
  燐光を放って浮かんでくる
  月はいつも背後にあって
  存在だけをかたる
  影の法師
  
  山になれ
  漆黒の山になれ
  双峰を聳やかして山になれ
  生み落とすことのない月を孕んで山になれ
  闇に一際濃黒い稜線を刻め
  
  私はひかれるままに
  山を登ればよい
by gipsymania | 2006-09-12 16:04 | 建築


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