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同志社大学 致遠館

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 同志社は明治8年に新島襄により創立された、同志社大学 致遠館_c0094541_949744.jpg歴史のあるミッション・スクールです。同志社の今出川キャンパスは京都御所の北に隣接。京都の中央に広大なキャンパスを持ち、御所の門から北の相国寺に向かう相国寺通りで東西に分割されています。西側には同志社大学と中学、東側は同志社女子大と同志社との共通建築が配置されています。

 同志社でのヴォーリズの作品は西に致遠館、東部分に南から新島遺品庫、啓明館、アーモスト館の計4棟。この致遠館は唯一西側に位置する建物です。

同志社大学 致遠館 1916(大正5)年
京都市上京区今出川通烏丸東入玄武町601
撮影 2006.5.14 & 6.24

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 南側です。ご覧のように煉瓦造りであっても、ヴォーリズらしい特徴は感じません。これはヴォーリズが設計を受けたときには、後述する明治時代のそうそうたる煉瓦建築が林立していたためで、周囲との協調を意識したと思われます。
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 西側のエントランス。
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 北側の中央のエントランスポーチ。ようやくヴォーリズを感じます。
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 中の階段。
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 階段を下から。
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 最後にもう一度北面です。

「おまけ」

同志社には文明開化の時代、明治中期の赤レンガ建築があり、重要文化財に指定されています。これらの西側キャンパスの建築群を西側にある建物から紹介します。なにしろ有形文化財ではなく、重要文化財!

同志社大学彰栄館 1884(明治17)年
設計 D.C.グリーン
重要文化財
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 同志社の最初の煉瓦造りの校舎。京都市内に現存する最古の煉瓦建築物です。
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 中央正面の時計台と鐘塔を持った塔屋に特徴があります。時計機械(これも重要文化財)が取り付けられたのは1887(明治20)年。
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 1979(昭和54)年に重要文化財に指定。その翌年から改修工事に着工し1981(昭和56)年に完成。

同志社礼拝堂(チャペル) 1886(明治19)年
設計 D.C.グリーン
重要文化財
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 彰栄館に続いて建てられた煉瓦造り建築。これも日本に現存するプロテスタントの煉瓦チャペルとしては最古です。1963(昭和38)年に重要文化財指定。1987(昭和62)年から改修工事を行い、1990年完成。
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 尖りアーチ窓の木枠に色ガラスのステンドグラスと煙突。西面です。
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 窓をアップで。
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 アングルを変えてみます。
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 結婚式に出くわしました。これこそ「お幸せに~!」。
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 参列者は若者が大半でした。この礼拝堂はアメリカン・ゴシック様式といわれるシンプルな建物です。

同志社大学ハリス理化学館 1890(明治23)年
設計 A.N.ハンセル
重要文化財
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 アメリカ人J.N.ハリス氏の寄付によって建てられました。
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 グリーン設計がアメリカン・ゴシックであるのに対し、この理化学館の煉瓦積み方式はイギリス・ゴシックだそうです。
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 理化学館は展示場が2階にあり、新島襄ゆかりの品物が展示されています。入場自由です。写真はエントランスを中から撮ったものです。
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 1979(昭和54)年に重要文化財指定。1977(昭和52)年から改修工事を行い、1978(昭和53)年に完成。

同志社大学クラーク記念館1894(明治27)年
設計 R.ゼール
重要文化財
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 ドイツ人ゼールの設計。印象的な尖塔があるドイツ復古様式のランドマーク的な建物で、1979(昭和54)年に重要文化財指定を受けました。2003年から修復工事が行われており、2008年までかかるとか。ということで建物全体がシートに覆われて撮影できません。その代わりにハリス理化学館の展示場でもらった「同志社の文化財建築物」というパンフレットの写真を借用します。


同志社大学有終館 1887(明治20)年
設計 D.C.グリーン
重要文化財
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 同志社初代の図書館で、当初は書籍館と呼ばれていました。ヴォーリズ建築の図書館(今の啓明館)が建ってその役割を終え、今は事務室として使われています。
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 エントランス。
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 1928(昭和3)年に失火のため内部が焼失しましたが、武田五一らの助言により煉瓦壁の内側に鉄筋コンクリート壁の補強を施して、外形を残したそうです。1979(昭和54)年に重要文化財に指定されました。
by gipsymania | 2006-11-05 10:27 | 建築


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