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太田酒造貴賓館(旧小寺源吾別邸)

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久しぶりのヴォーリズのアップです。時々覗くひろさんのブログに驚きの記事が。↓
ひろの東奔西走
http://hiro009.blogzine.jp/jupiter/2007/08/post_d603.html
 神戸の東灘区に旧小寺源吾別邸というヴォーリズ建築があると言うのです。そしてブログからリンクをたどっていくと、他にも。
近代建築Watch
http://hardcandy.exblog.jp/6083327/
☆秘書は猛獣使い☆
http://www.cafeblo.com/davidbowie/archive/167
 初めて聞く作品です。ひろさんも書いておられましたが、ヴォーリズの作品リストには小寺源吾別邸というのは見当たりません。
 ☆秘書は猛獣使☆さんのブログによれば、昭和10年頃の築とあります。元々、神戸には住吉山手に小寺敬一邸(昭和4年)があります。小寺源吾という人は大日本紡績の社長だったそうですが、この二人は親戚同士だったようです。そういう関係からヴォーリズが設計したのでしょうか。
 ただ作品リストには昭和10年に「小寺敬三氏の貸家 A.B 神戸市」というのが在ります。小寺敬三氏は敬一氏の3男と思われますが、もしかしてこれかも知れません。
 なお現在は滋賀県に本社のある太田酒造の貴賓館になっています。

太田酒造貴賓館(旧小寺源吾別邸) 1935(昭和10)年?
施工 : 不明
神戸市東灘区深江南町2-1-7
撮影 : 2007.9.16
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  日曜日のせいでしょう、門が閉まっていて、塀も高いのでアングルを探しながら廻りました。これは南側の塀越しに見たところです。瓦は赤い和瓦です。
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 1枚目とこの2枚の写真は、唯一視野が広く取れる南東の門から。アングルが同じなのはこのためです。
 小さな回廊があり、上部にベランダがありますが、この感じは神戸女学院大学のケンウッド館を小ぶりにしたようで、似ています。またベランダの手すりの透かしにスペイン瓦が使われていますが、これは京都の駒井家住宅と同じ工夫です。
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 東面にはグリルといわれる鉄格子の窓があるそうですが、私はこれがやっと。近接撮影を見たい方は、↑のリンクを張っているブログを見てください。
 さらに☆秘書は猛獣使い☆さんのブログには内部写真もあります。素晴らしい。
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 ヴォーリズらしさを感じる東の妻面。切妻になっているのは、この面(下が玄関のようです)だけで、全体は寄棟造り。そういう意味ではヴォーリズとしては珍しいかも知れません。
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 最後に隣接した隣の建物との隙間を通って北側を見ました。なお西側はお隣のマンションとくっついていてアングルはありません。
 リストになかったので疑心暗鬼でしたが、やはりヴォーリズ建築だと思います。ただ、昭和10年ころの他の住宅作品群に比べてシンプルすぎるかなとも。
注)昭和10年ごろの作品は、須磨の室谷邸、浜寺公園の近江岸邸など 
 ひろさんも書かれていますが、この頃の洋館だったら、煙突があってもいいでしょう。個人的にはもっと新しい作品のような感じを受けまました。 
by gipsymania | 2007-09-17 14:25 | 建築


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